ごあいさつ



第10代校長 木元次男  




 旭川藤女子高等学校は、第2代札幌藤高等女学校校長(在職1925‐1941)を務めたシスター・クサベラによって創立されました。初代校長となった創立者は、ヴェンセスラウス・キノルド司教の要請に応えて札幌に女子の学校を設立するために、ドイツに本部を置く「殉教者聖ゲオルギオのフランシスコ修道会」から派遣されて1920(大正9)年に来日した修道女です。

 1953年、シスター・クサベラは旭川市の要請を受け、満63歳にして他の2名のシスターと3名で旭川に入り、旧第7師団の兵舎を仮校舎とし、「藤学園旭川高等学校」としてカトリック・ミッション・スクールを開きました。以来65年間にわたり、本校は旭川の地にあって、キリストの愛の精神に基づき、広い知識と豊かな心を持ち、国際的視野を持った教養ある女性、将来、家庭や社会の福祉の向上に努める女性の育成を使命として女子教育に邁進して来ました。

 2018年度の校長着任早々に、クサベラ・レーメ初代校長を直接知る同窓生(8期生)のお話を伺う機会がありました。その方がおっしゃるには、シスター・クサベラは、ぎこちなさの残る日本語で私たちにお話しされていましたが、敬語だけはとても流暢に話されていた思い出があるとのことでした。この話から、シスターは人に語り掛ける際、相手を神に等しく愛されている人間として、その尊厳を重んじて接しておられたことの一端がうかがえます。

 創立以来65年、本校には、このシスター・クサベラの精神が脈々と受け継がれています。「謙遜・忠実・潔白」の校訓のもと、本校では温かな家庭の中で家族どうしが接するように、生徒一人ひとりに親身に寄り添い、その個性を尊重し、礼節を重んじる教育が行われて来ました。

 一方で近年は、I C T (情報通信技術)を取り入れた学習活動を積極的に展開するなど、時代の変化に適応した教育を実践する進取の気性をも備えています。このような側面からは、札幌で所期の志を遂げてもなお、還暦過ぎの年齢をものともせず、青年のような情熱をもって、さらに北の新天地「旭川」を目指したシスター・クサベラの宣教者、教育者としての開拓魂に重なるものを感じます。

 2018年度、本校は女子高として最後の新入生を迎えました。最後の女子高の学年となる生徒については、最後まで伝統ある女子高の教育を行うとともに、本年度は2019年度からの「旭川藤星高等学校」への校名変更と男女共学実施に向けた新たな取り組みを開始いたします。また、同時に本校は、2019年度より学校法人藤学園から学校法人北海道カトリック学園に経営移管されることになります。このような激変の時期にあっても、本校は教育における不易と流行の別を明らかにし、21世紀の時代の変化に賢明に対応して参りたいと思っております。

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